炭の分類、品質について
つぎは炭の原料による分類、白炭と黒炭はどう違うのか?
炭の善し悪しを見る精錬度、電気抵抗について |
炭焼き小屋到着:炭ってどんな種類があるんさ?
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炭子 |
でも、じいちゃんが焼いている炭も色々あるじゃろ。
他にもあるんか? |
炭じい |
まあ、日本全国で炭ちゅうんは焼かれとるでのお。 その地方によっても独特の物があるんじゃよ。
細かく言い出すときりがないんじゃけんども、まあ大まかに話すとのお・・・
まずは、原料による分類じゃな。
さっきのゆうたが、よく使われるのは木炭の原料ちゅうと、白炭ではウバメカシ、アラカシ、黒炭じゃあ、ナラ、カシ、クヌギなんかじゃ。
他に、最近ワシがよお焼いちょる竹にも色々種類があるのお。まあ、炭に使う竹は孟宗竹(モウソウチク)真竹(マダケ)が多いのおお。
まあ、これは本当の炭ちゅうんかわからんが、工場で作られる活性炭や、おがくずを固めて作られるオガ炭なんかも炭の一種や。
やっぱ、昔ながらのよおできた土窯で焼く炭はええもんができるでのお。
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炭子 |
ふ〜ん。
白炭とか黒炭ちゅうんは何なん?
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おお、炭子ええ事聞いたのお。
白炭とか黒炭ちゅうんは、炭の作り方による呼び方やな。
炭は焼き方によってもその性質がずいぶんと違ってくるんじゃよ。
白炭は、高温(約1000度以上)で焼いた物でのお、最後にええ加減になったときに釜の外に掻き出すんじゃ。
ほんでもって、白い消し炭をかけて真っ赤になっとる炭を消化するんで表面が白っぽおなるんじゃ。
んじゃから白炭ゆうわな。
この白炭は固いのお。 んでもって火は付きにくいな。
じゃが比較的低い温度で長〜い時間燃えるっちゅう特徴があるんじゃ。 ウバメカシで焼かれた備長炭は料亭の焼き物によお使われてちょるな)
黒炭は白炭よりは低温(700度以下)で焼くんじゃ。
で、最後に窯の穴を完全に密閉して消火するんじゃよ。
黒炭はすぐに火がつくのお。
燃える温度は白炭よりも随分高温になってよお燃えるよ。
炭子の母ちゃんがやっちょるお茶道で使わとるのはクヌギの炭やな。 あれは黒炭じゃ。
竹炭も、この焼くとき温度によって特徴が随分ちがってくるのお。 良いとか悪いとか一概には言えんがの。
まあ正式には竹炭の場合、白炭黒炭ちゅういい方はせんが、一般的に白炭、黒炭 と分けてゆう人もおる。 竹炭で白炭ちゅうたら、高い温度で焼いたものじゃな。
んじゃが、しっかりした決まりがないんで、実際には白炭といって販売しちょる物でも低温で焼かれている物もあるなあ。
なんか、白炭ゆうと高級そうな感じがするんじゃが、これも使い方によって良い場合と悪い場合もある。 色々違うからな。 注意が必要じゃよ。
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ふ〜ん。
でも、竹炭で白炭とか黒炭ちゅうんは、どうやって見分けるんや?
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そうやな。 竹炭も高温で焼いた物は堅くなって重みがあるのう。 たたくとキンキンゆうぞ。
低温で焼いた場合は、どちらかゆうと鈍いコンコンいう音で軽い感じじゃな。
見た目は高温で焼いた物はやっぱり白っぽくなるな。 なんとのお、いぶし銀ちゅう様な色やな。
それとな、精煉度(セイレンド)ゆう物があるがのお。
焼くときの温度が650度以上で、きれいに炭化すると、炭は電気を通すようになるんじゃ。
じゃから、出来た炭の状態を調べるには電気抵抗を調べるのが一番早いのお。
ワシも、竹炭様に窯は2つあるが、一つは高温用、1つは中温様じゃな。 高温用の窯で焼く竹炭は電気をよお通すでな。
いつも、焼き上がるとテスターちゅう機械で調べるぞ。 竹炭の場合じゃと100Ω以下だとまあまあええもんじゃのお。 白炭ゆうても間違いない物じゃて。
一口メモ・・・・高温で焼いた炭は電気を通す
低温で出来た炭の構造は、炭素結晶が不規則に並んだ無定型炭素です。 これが高温になりに従って炭素の結晶化が進みだんだん大きな結晶になっていきます。 この結晶が並んだ構造はグラファイト構造といい、結晶の間を電子が往き来することによって電気が伝わるようになります。
高温でしっかり炭化した炭は電気をよく通 し、この通電特性により、炭がアースとなって静電気を除去します。
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さあついたぞ。
これがワシのとこの窯じゃ。
おお、炭太郎 。 ご苦労じゃのお。
炭だしは、終わったかなのう。 |
炭太郎 |
じいちゃん。
今度の炭は、出来映えはどうじゃ? |
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見栄えは良いようじゃな。
一つ、テスターで計ってみるかのお。
おお。 30Ωじゃな。 よか出来映えじゃ。
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